ハチと出会ったのは、高一の4月。このころは、何もかもがめんどくさくて。人と関わることも。…当然友達もいなかった。休み時間は、本を読んだり、よく屋上で授業をサボったりしていた。
『………』
あの日もいつもと同じように、屋上で手を枕がわりにして寝転がっていた。空はあたしの心と正反対で、嫌になる。あたしの心もどうせなら空っぽにしてくれたらいいのに。何も感じないように。
『…ねえ』
あたしの視界に広がる空に、誰かがひょこっと出てきて覆った。…誰だっけ。この人。どっかで見たような気がする。
『白崎さんでしょ』
…なんであたしの名前ーー。って、そっか。いつもサボリで呼ばれてるか。
『俺、同じクラスの黒崎八郎。正反対だよね、俺ら』