チャイムが鳴る数秒前。 私は前の席からスッと出された右手に手紙を乗せた。 乗せたら前に戻っていく手を見て、思わず笑みがこぼれそうになる。 「かしわばらあー!! 食堂行かね?」 「おー」 昼休みによくあるそんなやりとりで彼は席を立って廊下に行くのを私は見つめていた。 「…咲ちゃん。 これは恋ですか」