悪魔のいる教室

「……お前さ」


ドキッと心臓が跳ねた。


悪魔はあの目をした後、かなりの確率で『お前さ』と切り出してくる。

その後に続く言葉は様々で、予想がつかない。

けどニンゲン、後ろめたい事があるとついつい嫌な予想をしてしまうみたいで。

最近悪魔が『お前さ』と口にする度、私は寿命が1日ずつ縮んでってんじゃねぇかと思う。

ってか、絶対縮んでると思う。


もしかしたらバレたんじゃねぇかっていう緊張。
気づいてほしいっていう願い。


私は卑怯者だ。

自分の口で言うキッカケが掴めないから、態度で示そうとしてる。

『なんかあったのか?』って言ってくれんのを待ってる。


もし悪魔にそう言われたら、私は話すだろう。

結局は、自分のため。


自分の中だけに留めておくのが辛くて。

見てるだけで辛くて。


言わない方がいいかもしれないのに、吐き出してしまいたい。

でも自分からは怖くて言い出せない。


「……何?」


何も言わない悪魔にそう促したものの、フイッと目線を逸らされてしまった。


「なんでもねぇ」


……ねぇ。

本当に、何も気づいてないの──……?