悪魔のいる教室

「あ、あの」

「ん?」

「……メール、途中で返さなくてごめんね」

「あぁ、全然いいよ。俺も考え無しにしょっちゅう送っちゃったし……ごめんね?」


謙虚ながらも、惜しみなく悩殺スマイルを繰り出す五十嵐くん。

この笑顔に一体何人の女の子が虜になってるんだろうか……。


そんなモテ男児からのメールを返さなかったのは、メールが好きじゃないってのもあるし。

あと、これは絶対本人には言えないけど……五十嵐くんってたまに──


「もしかしてさ、俺とメールしちゃダメとか言われた? 佐久間に」


──……不意打ちだった。

今一度振り向いてみれば、爽やかだった笑顔もちょっびり悪戯なそれに変わっていて。


「その顔は、図星だね」

「やっ、全然?」

「あははっ、熊谷さんって、嘘つけない人だ」