ザー…
「雨降ってるし」
「傘持ってきてないよ…」
あのゲーセンの中だ。雨の音なんか聞こえるもんか。
「ミニー濡れちゃうよ」
私はミニーを軽く抱きしめた。
「…嫌だなぁ。もうこんなに暗くなってる…。早く家帰ろうよぉ」
少し不安を感じた。
「奈津、ここから家近いよね。一緒に行ってもいい?」
奈津との帰り道はまったくの逆。
「え?いいけど…。美帆、どうするの?電話したら?」
「…いや、ゲーセンに来てって言っちゃまずいでしょ?だから奈津の家まで行ってさ、勉強してたって言い訳しちゃえばいいの」
「あ、そゆこと」
奈津は理解してくれたみたい。

