「青龍ー

 応援歌斉唱ー」


ドドン!


応援団長の先輩の声と共に

大きな太鼓の音がなる



情熱の炎よ

燃え上がれこの胸に―――…


ぐらぐらのひな壇の上でみんなが跳びはねる

肩を組んで

知らない人だって



「青龍グループ

総勢314名!」


パ―― パン!


ピストルの音がなって

夕応援が終わった



結果は優勝ではなかったけど

みんな気にしてない


パネル賞が取れて

先輩たちは泣き崩れてた



閉会式と片付けのあと

ひな壇の前にみんなが集まった


「青龍のみんな

ずっと、練習頑張って来てくれてありがとう」

応援団長の声がふるえてる


でも頑張ってる

途切れない


どこかしこから、すすり音が聞こえてくる


グループ長が大声で叫ぶ

「青龍のみんなと仲間になれて

本当に楽しい夏だった!」


誰も目を逸らさない


みんなが手を胸の前に

一本じめ


「青龍~~!」





西日が深い角度で入り込む

グループ長の輝く体線


まぶしすぎて、目の奥が痛む

でも

まぶたを閉じたくない




夏が終わる


今までで

一番長かった夏