夏季講座は国数英みっつ取ってて
最後の数学の授業が終わって、帰る時に
先生のとこに行こうと思ったんだけど…
デスクルームには いないみたい
『先生さよならー!』
『さようなら~』
遠くから
小さく声が聞こえてくる
外に出て見送りしてるんだ
学校の補習の後だから、終わる時間は遅くて もう暗い
だからかな 見送り
先生と、あと2人の違う学年の先生
もう外は暗くて 先生の顔
ぼやーっとしか見えない
カチャ…
「せんせ‥」
すごい小さい声で呼んだ
先生はこっちを振り向いて、多分笑ってた
暗くて、中からの光でぼやーっと見えるくらい
『先生』って呼んで、そこにいた3人はみんな先生だけど多分振り向いたのは 先生だった
外に出て、愛しい彼の横に立った
「テスト好感触だったっ」
「ホントにっ!?」
先生は自分のことみたいに喜んでくれた
向こうの2人の先生が振り向いた
いちおう
「でも結果は見なきゃ分かんないよ」って守りに入ったけど
にっこにこの先生は
聞いてるんだか 聞いてないんだか
先生にこんな笑ってもらえて
頑張ってよかったな

