走り出せ、コスモス*



「あの人意地悪なんだよ」

先生は、また私の右手を上にかざした

そんな見られたら、どうしていいか分からなくて、右手に神経が集中してしまう


「沙枝ちゃんが塾に来ない間、俺は想像以上に寂しかったわけね」

え… うそ嬉しい…!

て、不謹慎か でも、にやけちゃう…


「で、その弱ってるところに片桐先生が、沙枝ちゃんのシャンプーはマシェリだねって…言ってきて」

えぇ…!?

「シャンプーとか…沙枝ちゃん、そんなに匂いきつくないじゃん

それこそ、これくらい近づかないと分かんないのに」

あ…!もしかして、あの時!?

あん…のドS人間は!!

そんな誤解を生むような!!


「そんなことあるわけないって思ってるのに、どうしても片桐先生に抱かれてる沙枝ちゃんがちらついて…狂いそうだった」

えー!! そんなこと考えてたの!?

「だんだん、そんなことあるわけないって自信が、なくなってきて」

え…

「でも、今日来てくれたから

もう、二股でもいいかなーって」

えぇーー!! なんでそーなんの!!