ようやく体が冷めてきた


横から

小さな吐息が聞こえる


その声の元に

自分の分も布団をかけた






…しちゃったよ



隣で眠る愛しい少女を見ながら

俺がまず思ったこと



沙枝ちゃんとは

まだするつもりじゃなかった


まぁそりゃあ

したくなかったって言ったら

嘘だけど…


でもまだ我慢できる自信があった

沙枝ちゃんが大事だから


それに、するとしたら

初めてなんだから、すごくいい思い出になるようにしてあげたかった


誕生日とか、クリスマスとか

そんな特別な日に


きれいな風がふいて、いい音が聞こえるような

特別な場所で


そう思ってた


… なのに…


結果、こんなときに…こんな場所で


このアホっ子が、夜に俺んちで二人という最強の状況下で

「帰りたくない」とか最強のこと言うから…