夏休みも中盤を過ぎた頃、

私は一人、町の図書館にいた。


課題に使う資料を探すためだ。


「えーっと…」


本棚とにらめっこをしながら必要な本を探していた。

「あれっ、水上さん?」


「あっ。飯野君!」


急に呼ばれて振り向くと隣のクラスの飯野君だった。


飯野君とは委員会が一緒になったことがあった。


その時に明るく話し掛けてくれたので印象が強かった。