非日常standard【short】5

ノンたんによると「北高」は、あたしが通っている学校からは近いとまではいかないものの、そう遠い距離にあるという学校ではないとのことだった。

あたしは高校へ入学する時期と前後して、遠隔地から今住んでいる街に引っ越してきた。

それだけに、他校へ通う中学時代からの友達がいるわけでもなく、ましてや制服を見ただけでどこの高校の生徒かなんてわかるはずもなかった。


「北高だったらさ、ちゅうがくんときの友達なんにんかいるよ!」


本来ならノンたんのその言葉に「うそうそっ!ホントにぃ?!」なんてはしゃいじゃう場面なんだろうけど、あたしはそんな気分にはなれなかった。

彼を幻想として見ていたのかな…。

冗談で言っていた「王子様」、本当にそんな風に、手の届かない遠い存在として考えていたのかな…。


もちろん、彼との距離が少し近づいたうれしさというのもある。

ケド…。


「ねぇ、ねぇ、しっちゃん?しっちゃん、、、、しっちゃん?  シズカ!!」

「えっえっ」

どうやらあたしはノンたんに呼ばれているのにも気づかずかんがえこんでいたらしい。


「どうしちゃったのよ、王子様見てボーっとしてた?よっぽど好きなんだねぇ~」

ノンたんはニヤニヤしながら言った。

違うんだノンたん。ちがうの…。


「よしっ、今日さ家帰ったら中学んときに北高進学したやつにTELして聞いてやるからっ。任しときなさいってぇ~!」

「えっえっ、そんな急がなくてもっ」

「何言ってんのよ、こういうのはね、え~と、え~と…そんなことわざあったでしょっ!なんだっけ、でもそれだよそれっ!」


うぅ……思い立ったら吉日でしょ…