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どれくらい走ったのかな?
自分自身で分からない、そんな距離。


「ここ…どこだろう?」


辺りを見回すとそこは知らない場所だった。

涙はもう、止まっていた。

私は先輩をもうスキじゃない。
大嫌い、だいきらい、


ダイッキライ―…


チョコも持っていたままだった。
でもせめて、チョコは渡したかったな。

もう、嫌いだから関係ないか。
過去の想いが伝わったからいいよ。


私はとりあえず歩き始めた。
周りには人が一人としていない。


どうしよう……

誰もいないなんて怖いよ。


カタッ


近くで何かの足音が聞こえた。
もしかして誰かいる……?


怖い、怖いよ。

だんだん足音は大きくなってくる。
私は恐怖心で走った。

だけど私の手は誰かに捕まれてしまった。


「きゃーー!!!!!」

私は悲鳴のように叫んだ。


「清水!!!」

だ、誰……?


暗闇でよく見えない。
でも長身でこの温かい気持ち…

この優しい温度……


「―…春斗、先輩……?」

「そうだよ、清水」

私の腕を掴んだのは先輩だった。

ドクン……

私の心臓が高鳴った。