「特別ゲストー?私のために?」

私は3人が言ってる事がまったく分からなかった。

特別…って私にはそんな人、いないし。


「えー?誰なのー?」

「フフ、じゃあ入ってもらいますか、春斗先輩、入ってください♪」


――…え…?

「よぉ。清水」

「は、春斗先輩……」


私の前に立ちはだかったのは先輩。

何で、何でいるの……?

するとすぐ隣で真美が呟いた。


「―…春斗先輩を特別ゲストとして呼んだんだよ」


私は3人の顔を見た。
3人ともニコって笑ってくれて
口パクで『頑張れ』って言った。


「私のために…先輩を呼んでくれたの?」


私は聞こえないくらいに小声で呟いた。
3人は首を縦に振った。

ありがと―…

夕実、弥子、真美……

ホントにありがと。

このとき私は友達の大切さ、優しさを
初めて肌で感じた。



そして私の前には大好きな先輩。

勇気を出せなきゃ。

チョコ、渡すんだ……


素直になろう。

私はバックからチョコを取り出し、
ぎゅっと握り締めた。

この気持ち、言わなきゃ。

私の想い、どうか届いて……


「先輩。私、先輩がずっと大好きでした」

言い終わった時、私は思いっきり目を瞑った。