「何で笑うんですか?」
私の涙はもっと流れていった。
何で私はこんなに泣き虫なんだろう?
私は服の袖で零れる涙を拭いた。
「だって清水は超おバカだからさ」
先輩がそう答えた。
――…どういう事?
私は不思議と首を傾げた。
「清水は天然すぎ!
俺が好きなのは『清水すず』お前だよ!」
その時、時が止まった気がした。
先輩が私を好きなの?
「――…嘘、ですよね?」
「嘘じゃねぇよ!!」
「ホントに?」
「本当!信じろ、チビ!」
そう言って先輩は私をそっと抱き寄せた。
この腕、優しい温度、
―――大好き。
「じゃぁさ、俺を傷つけた代わりに好きって言って?」
そう耳で呟いて先輩はニヤッと笑った。


