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空を見上げると綺麗な雪が舞い散ってた。
息を吐くとそれは白くなって消えた。
まるで私の可能性の低さのように……
「ハッピーバレンタイン会か……」
持っていた可愛らしいカードを広げた。
『HAPPY』って言葉が大きく書かれていた。
友達の夕実から誘われたバレンタイン会。
これにいけば
少しは涙が癒えるのだろうか?
今日は2月13日。
そう、今日はバレンタイン前日。
明日は勝負日、つまり本番。
女の子が好きな男の子にチョコをあげるっていう日。
それで両思いだったから付き合ったとか……
そんな少女マンガの世界じゃない。
現実は砂糖みたいに甘くなかった。
今年はそのバレンタインが休日。
だから学校じゃ渡せなくて、せっかく買ったチョコも無駄に終わったってこと。
私の名前は清水すず。高校2年生。
容姿も何もかもすべて平均。
とくに目立たない女子高生。
最近良かった出来事は
苦手な数学のテストで80点取ったくらい。
でも私だって女の子。
恋だってした、
ううん、今、しているの。
でもその恋の可能性は
1%もあるか分からないんだ。
私は遠い遠い人に
恋をしてしまったから。
笑っちゃうよね……