ここは人間の誰一人として、行く事の出来ない天上界である。在ると思えば在り、無いと思えば無い国である。その神の国では、連日の様に、華やかな催し物が繰り広げられ、きらびやかな光りの中に包まれていた。 花は咲き乱れ、晴れ渡った青空の世界の中にいた。ハ−プの音色は止む事も無く、空からは、色取り取りの小花が、太陽の光を受けながら降り注いだ。神達は黄金の宮殿に住み、金銀財宝に囲まれながら、これ以上の贅沢が無いという様な世界で暮らして居たのだった。 女神達は日々、自分の美しさを男神に認めて貰う為に、努力に努力を重ねていた。だから自尊心も強く、気位も高かった。その強い自信のせいで、争い事が絶える事はなかったのである。その磨き抜かれた美を、我こそはとこぞって自慢し合い、酒の席では、真珠の粉で身体中を磨き上げ、羽衣の布を身に纏い、身体をくねらせて舞って見せた。