携帯の通話ボタンを押す。


「もしもし。」


『由香里、あけましておめでとう!元気にしてる?』


電話の主は里美からだった。


「あけましておめでとう!元気だけど…どうしたの?」


『由香里さ…初詣で、もう行った?』


「初詣で?まだだよ。今起きたばかりだし。」


初詣でなんて、すっかり忘れてた。


電話がなきゃ、寝正月になるところだった。


そして突然、後ろから抱きしめられた。


「きゃっ…。」


「由香里…誰から電話…?」


会話してる声に起こされたらしい浅賀さんの目は、まだ眠そうだった。


「里美からだよ!」