11月のある日。


風がやたらと冷たい。


マフラーが手放せなくなる寒い季節の訪れを感じる。


そんな時、浅賀さんの言葉が私を悲しみに包むことになる。


学校からマンションに帰ると、珍しく浅賀さんがいた。


「あれ…浅賀さん、今日早いね。仕事もう終わったの?」


「仕事は終わったんだけど…その…実はさ、俺…。」


いつもとは違い、はっきりしない様子だった。


「…浅賀さん、どうしたの?なんか…あった?」


いつもと様子が違う浅賀さんに、不安を感じる。


「あのさ…俺…明日から…北海道に出張なんだ…。」


「しゅっ…ちょう…?」