「朝霧君」

か弱い女子の声に
俺は振り返る

クラスメートの東條詩織だった

細い体に
ふっくらしている胸

セーラー服からちらりと見える
鎖骨が綺麗だった

俺は視線をあげて
東條の顔を見た

なんの刺激も受けていない
白い肌が
汗で輝いていた

日焼け止めで
肌は
汗を弾いて
玉の汗となっている

小さい唇が動くと
俺の前に
タオルと
水が差し出された

「これ、使って」

「……」

(ありがとう)

俺の口だけが動く
応援し疲れた
俺の喉は限界をとうに
超えていた


声が出ない


擦れ声すらも
出ない

俺は
タオルと水を受け取ったら

タオルの中に
ガサガサするものがあった

俺は
タオルの中に手を入れた