「朝霧君に会えて良かった」

「俺も
もう会えないかと
思ってたから」

「うん、会わない方が
いいかもって思ってた

でもおばさんが
私を励ましてくれたの
それで
知ったの

朝霧君が三原君の罪をかぶって
停学してるって
だから許せなくて
学校と警察に行っちゃった

口にしたくないし
思い出しくないって思ってたけど

話したら
意外とすっきりした」

東條はにっこりと
笑った

作り笑顔じゃなく
本心から
ほほ笑んでいるようだった

「でも夜になると
怖くなる
また電話くるんじゃないかって
ドアをたたきにくるんじゃないかって

おば様に教えていただいた精神科に
通ってるの

たいぶ良くなったって
先生も言ってくれた

外出もオッケーが出て

そしたら家においでって
おば様に誘われて

来ちゃったんの」

「そっか」

東條は俺を見つめてきた
俺は東條の手を握った