「まあ、一般的な親なら
怒るでしょうね
それに学校にも怒鳴り込みに行くわね
濡れ衣を着せられたんだから

あとは東條さんって子との
恋愛は禁止
会うなっていうのが普通と言えば
普通なのかしら?

それで勇太は納得する?
『はい、そうですか』って
引き下がれる?

私だったら無理ね

それに勇太は
悪いことを悪いってわかっているわ

だから私は親として
勇太の起こした行動は
とことん応援するって決めてるの」

母親はにこっと笑うと
俺に差し出してくれて
缶ビールをあけて
飲み始めた

「親父に怒られるぞ」

「1本くらいなくなったって
わからないわよ」

「ありがとう、母さん」

「まずは東條さんと
付き合っちゃいなさい

それから……仕事でも探せば?

彼女の心の傷を
癒せるのはお兄ちゃんだけよ」