船越俊光は、口が悪くワガママだったが、本当は凄く優しい人だった。 ピアノははっきり言って智江は全く分からなかったが、 彼のピアノに対しての想いは並大抵ではなかった。 忙しく、次々とコンサートに追われていたが、手抜きは一切しなかった。 智江はそんな彼を尊敬し、惹かれていった。