「どういうことだ、これは」


「この通りの意味です」


智江は離婚届けを俊光の前に出した。



このままだと、誰も幸せになれない。


そう気付いたのだ。


今まで、


家族を取り戻そうと


必死だった。



けれど、


無理だったのだ。




時間は元には戻せない。




瑠美と二人で生活する、


その覚悟が今まで出来なかったが、



自分には瑠美がいる。



それだけで十分幸せなのだ。