だって、私は知っていたから。

ゆうりに一生忘れられない人がいること。

その人の面影を探さない様に無理をしてること。

その人を忘れ様として、忘れられないこと。

いつも笑っている様に見えて、心の中では泣いてること。

知ってるから、やったねなんて、言えない。

それでもゆうりは笑っているから、私も笑う。

「ありがとう。」

ゆうりは俯いてから言った。

私たちは校門で別れた。