「ねえ、知ってる?」

急に降ってきた。

まるで流星のように。

まぶしくて、きらきらしてた。

「僕らはね、60億分の1の確率で生まれてきたんだって」

すらりとしたラインに透き通るように輝く栗色。

私は、驚きに目を見開くことしかできなかった。

「ともや、せんぱい?」

空気と一緒に無意識に吐き出されたその名前は相手を喜ばせたのか、知っててくれたんやなあ、と笑った。

知ってるもなにも、貴方を知らないひとがこの学校にいる筈がないのに。