ぼうっと帰り道を歩いていると、きゃあああ、と耳をつんざくような悲鳴が聞こえてきて音源の方をチラリと見やると、世間一般にいう"地獄絵図"に等しいと思ってしまうような酷い有り様だった。

ひき逃げ、だろう。

ここは交通量が多く、更に見通しも悪い為事故が多い。

一番怖いのは、慣れたこと。

最初のうちは、人「だったもの」から血が流れている様を見れば寝られやしなかった。

けど、もう、慣れたこと。

道路につく血痕も、それに基づく怪談話も。

だけど、今日、あたしは信じられないものを見ることになった。

何時もと違う、非日常のハジマリ。