2/3友達

店内に響くジャズベースの重低音。

香ばしいコーヒーの香り。

ちょっぴり大人になった気分にひたれるような場所。

こんな場所、カツヤはどこで知ったんだろう。

例の彼女?


案内された席に向かい合って座る。

あまりの雰囲気のよさに圧倒されて、なんだか落ち着かない。

店内も静かで、客層も上の方。

やっぱりマクドの方が私の性には合ってるのかも。


店員さんが注文をとりにきた。

「俺、コーラ。ナツミさんは?」

あはは。

そこは、やっぱりコーラなんだ。

少し安心する。

「私も。」


運ばれてきたコーラを飲む。

うわ。

いつも飲んでるコーラと少し違う。

ほんのりレモンの香り。

おいし。


「ナツミさん。」

顔を上げると、カツヤが緊張した顔でこちらを見ていた。

「あ、うん。さっきの話ね。」

「例の彼女ですけど。」

「あのさ、その前に。敬語はもういいって。話しにくいしさ。」

「そう、ですよね。でも、今すぐにタメでしゃべれって言われてもできないし、これから少しずつでもいいですか?」

確かに。

「うん、わかった。しゃべりにくかったらいつでも敬語外してね。」

「はい。ありがとうございます。」

カツヤ、かわいいな。