2/3友達

「へー。お前もか!W大から転向するって何か理由でもあんの?俺は高校入ったときからK大って決めてたからさ。」

「あ。まぁ。理由は結構不純なんっすけど。」

「不純?」

「ええ。俺の気になる女性がK大目指すみたいなんで。」

は?

ま、まさかね。

面の奧が暑くなってきた。

タイスケは眉間にしわをよせた。

「え?でもさ、お前の彼女ってW大だよな。」

ば、ばか~!!?

タイスケ、それは私からの情報じゃない!

私がばらしてるのバレバレじゃんか!

もー!

その時、背後で同級生、ユズキの声がした。

「ナツミ?なんでもう面つけてんの。いつも皆で準備体操してから一斉につけるんじゃなかったっけ?」

あ~!

そうだったぁ!

動揺して、しかも聞き耳立てたいあまり、一人勝手に面を着けてしまっていたー!

私はいつのまにか、部員達に囲まれて笑われていた。

「もー、ナツミ先輩!しっかりして下さいよー。」

後輩達もおかしそうに笑っている。

きゃー。恥ずかしい!


「ナツミー。お前、やっぱバカだよなぁ!」

向こうの方でタイスケがでっかい声を張り上げていた。

面の奧からちらっとタイスケの方を見ると、カツヤがうつむいてくすっと笑っていた。

うわっ。

やばい。

今最高潮に動揺してる自分。

面なんかはずせないよー。