2/3友達

「別にぃ。それだけじゃないけど。」

「やっぱそうじゃんかよ。」

「なんかさ。落ち着かないっていうか。」

「・・・俺と一緒にいるからかよ。」

タイスケは目をそらした。

違う・・・って、喉まで出かかったのに言えなかった。

「お前さ。」

タイスケは問題集に目を落としたまま言った。

「今一番大事なもん見失うなよ。」

え?

「一番大事な、もの?」

タイスケは何のこと言ってるの?

「お前の、し・ん・ろ!」

そう言いながら、タイスケは私のおでこにシャーペンの後ろで突っついた。

はぁ。

そうきたかい。

一番大事で、一番目を背けたいこと。

自分の進路。

そうだよね。

だから、こうやってタイスケの隣で勉強してんだもんね。

ふぅ。

初日からこんなんじゃ、この先思いやられるわ。

私は長いため息をわざとらしくつきながら、また問題集を広げた。

タイスケはチラッと横目で見て、ニヤッと笑う。

「それでよし。」

ちっ。

「今日のノルマ終わったら、俺がとっておきのご褒美くれてやるぞ。」

「ご褒美?」

なんじゃそれ。