2/3友達

自分の席に戻ると、力が抜けてそのままテーブルの上に突っ伏した。

タイスケがこちらをちらっと見る。

「やけに遅かったじゃんか。道にでも迷ってたか?」

突っ伏したまま、顔だけタイスケに向けた。

「カツヤと彼女に会ったわよ。」

「は?」

「こないだカツヤと一緒に歩いてた、あの例のきれいな彼女さん。どうやらこの大学みたいよ。カツヤとすぐそこで遭遇したわ。」

タイスケは鉛筆をテーブルの上に置いた。

「まじで?」

「うん、びっくりしたわよ。それにさ、彼女ってば、すんごく感じ悪いんだから。」

タイスケはニヤッと笑った。

「そういうのを負け犬の遠吠えっていうんだよ。」

「な、なによー。いくら彼女がきれいでも、あんな感じ悪かったら私以下だわよ。」

「へー。どう感じ悪かったんだよ。」

「なんかさ、私のこと頭からつま先までじろじろ見て、小馬鹿にしたように笑ったのよ。」

「はは。笑えるね。」

「何が笑えるのよ。」

タイスケのバカ。

「で、お前は『何してんの?』なんて聞かれなかったわけ?」

あ。

思い出した。

タイスケとK大目指してるなんて言っちゃったんだった。