2/3友達

きれいな人って怖い顔するとものすごく怖いのよね。

カツヤが私の視線をたどって、彼女の様子に気づいた。

「あ、この人はナツミさん。俺の所属してる剣道部の先輩だよ。」

「あぁ、そうなんだぁ。」

彼女は私を上から下まで舐めるように見て、くすりと笑った。

な、なぁんか、嫌な感じ!!

とにかく、ムカムカしてきたからこの場を退散しよう。

「じゃ、またねぇ。」

私は二人にくるりと背を向けて、タイスケがいる方へ戻って行った。

私の背後でカツヤの声がした。

「タイスケさんと?」

もうどうでもいいわ。

振り返らずに、

「そうよ。二人でK大目指してんの!」

なんて言っちゃった。

げー。しまったぁ。

「K大?」

カツヤは意表をつかれたようだった。

そりゃそうよね。

タイスケだけならともかく、私がK大だなんて。

っていうか、二人で目指してるなんて。

まるで付き合ってるみたいじゃないの!

あぁあ。

やけっぱちになりすぎたかな?

後悔先に立たず。

私はその場を逃げるように立ち去った。