2/3友達

深く息を吐いた。

「もういい。勝手にしなよ。」

私は椅子をひいて、どかっと座った。

「俺。」

タイスケの小さな声が横で聞こえた。

「K大合格したら、聞いてもらいたい話があるんだ。」

タイスケは、問題集をゆっくりと広げながら私の方に視線を向けた。

「今じゃダメだの?」

思わず聞き返す。

話って、何?

「ダメ。今はお前も俺も受験するって決めたんだから、それに没頭しなくちゃ。色んな邪念が入ると勉強に集中できないだろ?」

そりゃそうだけど。

その話ってのも、私にとっちゃ相当な邪念の一つになるんだけどさ。

「だから、俺は何としてもK大受かるし。お前もK大目指してがんばれ。」

なんじゃそれ。

「じゃ、私もK大合格しないと、話が聞けないってこと?」

「そういうこと。」

「絶対無理じゃん。そんなの。」

「どうして無理なんだよ。この世に『絶対』なんてないんだ。とにかくお前はK大に受かる気で勉強しろって。」

『絶対』なんてない・・・のか。

よくわかんないけど、目の前に餌ぶら下げられた状態なのかな、なんて思いつつ、私も問題集を広げた。