就活ラブ -gleam-

そう尋ねると長田さんは言いにくそうにしたので、俺は「ん?」と首を傾げて促す。

「うん。全然顔見ないけど…私もあんまり学校行かないからすれ違ってるだけかもしれない」


自信なさそうに言ったその言葉の意味を考えて、俺は吹き出してしまった。


「長田さんも意外にさぼり魔なんだ?」


人は見かけによらないってことか。

それともまだ俺が長田さんのことを勘違いしてるだけなのかもしれない。


「え、うん。…なんでそんなに嬉しそうなの?」

「えー、また俺そんな顔してた?」


また俺はにやけていたらしい。

困ったような顔でそう指摘されてはじめて、俺は自分が今嬉しく思っていることを自覚した。


「…いや、嬉しかったのかも。なんか長田さんの新しい一面発見、って感じで!」

「えー…そんな一面知らないでいいのに」

不満そうなその顔も、初めて見る表情で新鮮に感じた。



「いいじゃんいいじゃん!せっかく知り合ったんだし!あ、もうすぐじゃない?」


いつのまにか外の景色が見覚えのあるものに変わっていた。


「なんか行きよりあっという間だったな!」


やっぱり一人さみしく乗ってるよりは二人のほうがいい。


長田さんも「そうだね」と言って、たぶん心から笑ってくれたから俺はそれだけでまた嬉しくなった。