この3年弱で何度も同じ質問をされてるからいい加減聞き飽きた。

だいたい、本当に童貞だったらどうすんだよ。こんな街中で告白させる気か。


「いや、中高は普通に彼女いたから」

「まじか?うわー、なんかむかつく」

「なんでだよ。別にお前だって前は彼女いたじゃん」


もう付き合いきれないと思いながらも、なんだかんだ俺はあほな会話を楽しんでいた。



そんな話を続けているうちに駅に到着。

二人は自宅生だから地下鉄の俺とは電車が別でそこで別れた。



基本的に人が好きな俺は、いつもひとりになった瞬間寂しく感じてしまう。

だけど今日はそう感じるより早く長田さんのことを思い返していた。


絶対俺と同じタイプの人だと思ったのに、あの拭えない違和感はなんだったのだろう。

もう少し話してみたかったな。


そんな心残りとともにその日は帰宅した。