「無理無理。どうせダイは、女だろうがただのダチとしか思ってないんだって」

「だよな。出会いのチャンスだなんてダイが思うはずないよな」

俺をそっちのけで言い合う武史とザキ。


その会話の内容に俺は驚かされた。

「はっ?就活で出会いとか求めちゃってんの?ばっかだなー」


俺が笑うとザキはむきになって力説しだした。

「おかしくねーよ。どこでだって出会いを求め続けるのが男だろ!」

おまけに武史まで妙に熱くなって、そうだそうだ、なんて言ってる。


めんどくさくなった俺は適当に流すことにした。

「あーはいはい。今時リクラブって言葉があるくらいだから、いいんじゃない?ま、せいぜいがんばれよ」

「くっそ。自分は関係ないみたいな顔しやがって」

「実際関係ねーよ。俺今彼女欲しくないし」


なんでみんな彼女彼女ばっかり言うんだ。

こんな人生の踏ん張りどころじゃなくて、せめて内定もらってからにすればいいだろ。



「ダイってなんでもてるのに彼女つくんねーの?てか童貞?」

武史がちょっと聞きにくそうに言う。