就活ラブ -gleam-

このグループワークをやったからって就活に劇的な影響があるとは思えないけど。

そんな穿ったことを考えていたくせに、「それでは始めてください」の合図で俺は自然と先頭を切ってしまった。


「じゃあとりあえずブレストだね。どんな人が欲しいのか適当に挙げていこう」


誰からも反応がないのでおかしいなと思って見回すと、みんな躊躇っているみたいだった。

これは先が思いやられるな、と肩を落としそうになったとき。


「ありきたりだけど、『元気な人』とか」

長田さんが意見を出してくれた。


全員の視線が自分のところに集まったのも気にせずに、「あ、私書記やるね。どんどん意見出していいよ」と言ってマイペースに筆記用具を取り出した。


なんとなく仲間が見つかったような気分になって、俺は嬉しくて頷いた。

「じゃあ他にも何かある?」


それからは徐々に他の子も調子を出してくれて、ごくごく順調に議論は進んだ。

一番手っていうのが嫌だっただけみたいで、口を開けばみんな適度に饒舌だったから制限時間よりも前にうまくまとめることができた。


制限時間の5分前になって、発表者を決めるようにとのアナウンスが入る。