「はい!」


貴方が差し出した
おっきな手に
甘くて小さな
チョコレートを
二個乗っけた


「あれ?

俺っち一個で
いいのに

返すよ!」


いつも優しい貴方


とっても
大好き



「別にいいの!

颯河先生にお礼
って事で!!」


そう
あたしと貴方は
生徒と教師



って言っても
家庭教師だけどね



あたしの目の前で
美味しそうに
チョコレートを
頬張る先生は
元不良

颯河 雅翔
ハヤカワ マサト


21歳


綺麗なほっぺに
一本の切り傷の跡

深緑色に
染めてある
ちょっと長めの
綺麗な髪

黒ぶち眼鏡の下から
あたしの方を見る
茶色をした綺麗な眼



先生は何もかもが
綺麗なんだ