繚乱狂宴

「だ、大丈夫ですかっ!?」

ゲホゲホ、と咽せる僕に近寄る咽せらせた張本人の幽。

「お前……そういう趣味か?」

「? 趣味って、どういうコトですか?」

ああ、無知とは恐ろしい。

「『好き』に性別は関係ない、って看護師さんが」

決めた。あの看護師さんを問い詰めよう。

「まぁ……そういう考えもできるな」

しどろもどろにお茶を飲み干す。

「でも、それはあまり人前で言っちゃいけないぞ。世の中にその考えは通用しないからな」

これもまた、『ヒトと違うコト』なのかもしれない。

「はい。センパイがそう言うなら、そうなんですね」

慕ってくれるのは嬉しいのだが、限度は知っていて欲しい。

やはり、幽は侮れない。

天然故か、人並み外れたことを言っても、皆が忘れた基本的な正論を突きつけ、辻褄を合わせる。

一種の才能かもしれないな。

そんなコトを考えながら、時間を無駄に過ごしていった。