繚乱狂宴

「……もういい。僕は優しいんじゃない。無関心なだけだ」

「本当にそう思っているなら、そんなこと言いません」

「お前に正論を言われると、癪に障る」

今度はアイアンクローを決め込む。

幽の小さい頭はすっぽり手の内に収まった。

「痛い痛いー! 暴力反対ですーっ!」

「暴力ではない。制裁だ」

「冤罪ですっ! ボクは完璧に潔白の身ですーっ!」

流石にこれ以上やると、泣かせてしまいそうなので、手を離す。

今度は睨まれずに、悄げはじめた。

「うう……センパイの意地悪……」

「誰が最低最悪のセンパイだって?」

「うわ、ひっどい捏造!」

幽の文句を聞き流し、滞っていた食事を手早く済ませる。

食べ終わった時には、幽がこちらを見ながら拗ねていた。