繚乱狂宴

「他の人のことを考えて、しっかり気遣ってくれます♪」

「世の中には、社交辞令とか言うのもあるんだぞ?」

今の状況は社交辞令とは違うが、遠回しの意味合いは同じだろう。

「もしかしたら、いい人を演じてるだけかもしれない」

「そ、それは……」

考えてもいなかった、と言わんばかりに悩み込む幽。

そんな幽を見て、ため息を漏らす。

「ま、そんなことはないから安心しろ」

幽の頭を撫でる。

幽は直ぐに明るくなり、僕に笑顔を向けた。

「ほら、やっぱり優しいです」

撫でていた手が、幽の頭に食い込んだ。

「いたたたた!いたいいたいですー!」

「五月蠅い。からかおうとした罰だ」

暫く押さえつけた後、解放してやる。

幽は頭をさすりながら、僕を睨む。

「酷いですよ、センパイ……」

「黙れ。変なことを考えるお前が悪い」

「うぅ……本当に思ったことを口にしただけなのに……」