繚乱狂宴

「何?貴方達」

そして、入るなりいきなりその持ち前には似合わない、鋭い目つきで睨まれた。

「あ、いや」

予想外の展開に少したじろぐ。

それが仇となった。

完全にペースが握られてしまう。

「出て行きなさい」

問いに答える前に命令された。

横暴なことだ。

「……少し、話をしにきた」

やっと言葉を発すと、視線を逸らされた。

「初対面の人に話すことは何もないわ」

正論。ごもっとも。

「あ、あのっ、小夜さんっ」

僕の後ろで縮こまっている幽が口を開く。

その声を聞いて、小夜がまた視線をこちらに向けた。

「あら、そこの餓鬼は見覚えがあるわね」

嘲弄を含んだ発言。

口元が少し緩み、少なからず思い出し笑いをしているように見えた。

それに比例して、幽の目が潤んでくる。

詳しくは聞かないでも理解できる。