繚乱狂宴

「で、ですからっ! 小夜さん、冷たいですから……センパイが……気を悪くしちゃうんじゃないかと……」

ゴチン。

幽の頭に鉄拳を落とした。

「馬鹿か。確かに気を悪くするかもしれないが、お前に八つ当たることなんてない。第一、八つ当たった時点でどうにもならん」

「そ、それはそうですが……」

幽は頭をさすりながら答える。

「自分のことぐらい、自分で責任を取る。仕返しは恨みを作った方より実行した方が悪いんだからな」

「はい……」

しゅんとなる幽の頭に手を乗せる。

「……お前も十分優しいんだ。そこの自覚を持て」

「……はい」

心なしか元気が無いように思えた。

「……まだ痛いです」

「当たり前だ。痛くしたからな」