繚乱狂宴

幽の病室。

僕と同じ個人部屋で、中もそう変わらない。

夏の日差しがベッドへ差し込み、カーテンがそれを防ぐように棚引いている。

ベッドに寝転がっていた幽を起こし、

小夜のことを話した。

「うぅ……小夜さん、苦手なんですよぉ……」

幽は本気で怯えている。

そんなに怖いんだろうか。

「どんな奴だ?」

「え、えーと……とりあえず冷めてて怖いというか、見ただけで殺されそうな……というか眼力で熊ぐらいなら殺せそうかなーっ、とか……」

幽は素直だから、きっとこれも本音なのだろう。

少し過剰過ぎるが。

「で、何で黙っていたんだ?」

幽が、忘れていた、ということはほとんど無い。

だから、自動的に、故意で隠していた、という結論に辿り着く。

「だ、だって……センパイの気分……悪くしたくありませんでしたから……」

「は?」

何か深刻な事情があると思っていたので、かなり拍子抜けだった。