「沢村!」

体育館で卒業式の後片付けをしていると、加藤に声をかけられた。

「おー…加藤。あれ?お前今まで体育館にいたっけ?」

確かいなかった気がすんだよなー…

「まぁまぁ。細かいことは気にしないのが1番よ」

なんかおばちゃんみてぇ…。

「千春から伝言なんだけど…」

「吉野から??」

吉野から伝言なんて珍しいな。

「うん、そうよ。桜の木の下で待ってるって」

桜の木のしたぁ…??

「まぁちゃんと伝言したわよ。それより沢村。」

まだあんのか…。なんか嫌予感がすげえすんだけど…

「あんたいつ千春に告白するのよ」

「はっ!?」

思わずでかい声をあげてしまった。

ちらほらと視線を感じた。

「うるさいわねー。だからいつ告白すんのかって聞いてるの」

「なっ…おまっ…なに言って…」

あー…。はじぃ…。なに真っ赤になっちゃってんだ、俺。

「なに純情ぶってんのよ」

結構毒舌だな。加藤は。

「あんたそんなにのろのろしてると、千春他の男にとられるわよ。」

「わかってんだよ… そんなことぐらい…」

わかってんだ。わかってんだけど…

「わかってないわよ。あんた。」

加藤の言葉にドキッとしたのがわかった。

「あんたこのままでいいと思ってるわけ?かっこつけてんじゃないわよ」

加藤の言葉に頭がついていかない。

「逃げてるだけよ、あんたは。男ならねぇいつでも思い伝えられるように、覚悟しときなさいよ」

俺は…覚悟が足りなかったのかもしんねぇ…な。

「男ならびしっと一発決めてきなさい!!!」