「あの… わたし沢村君のことが好きです！！」

目の前の女の子は顔を赤らめて勢いよく頭を下げた。

確か…この娘、平井真理っつーんじゃないっけ？

俺にとって告白は初めての体験でどうしたらいいなかわからなかった。

でも。素直に今の気持ちを伝えよう。

「ごめん…。好きな奴がいるんだ…」

あいつしか…吉野しかみえないんだ。

「…そっか。あの沢村君に一つだけお願いがあるの…。」

平井はぽつりと呟いた。

「あの…。わたし金曜日に転校するの…。だからそれまででいいから…」

平井は少しためらった後、

「わたしと付き合ってほしいの…。最低なこと言ってるのは分かってる…。けど…、うわべだけでいいから…」

そんなの…無理だ。

「ごめん…。俺には無理だ。だって、平井もそんなことして苦しくないか？？うわべだけの関係なんて」

平井は急にだまりこんだ。

二人の間に沈黙ができた。

「教室… 戻ろうぜ」

俺は静かに呟いた。

「……うん」

平井もそう言っただけだった。