私の上着を掴み、パソコン教室内に視線を巡らせ微動だにせず、事象が起きないか見守っている様子なので、仕方なく聞く。

「で? これも待つのか?」

「そうですよねー……」

いつになるかわからない事柄に時間を割くほど暇ではない。

さっさと、屋上へと促そうとしたところへ、


ピロリン。


聞き覚えのある電子音が部屋の中に響いた。