「随分ここから遠いな。このガラスケースの鍵は職員室に保管し、スペアも職員が管理している。簡単に取り出すことは出来ない」

「あの、だからきっと勝手に……」

「本当にこのヴァイオリンの音だったのか? 別のヴァイオリン、もしくは別の音だったんじゃないのか?」

「ううっ。本人じゃないからわかりませんー。でも、目撃……というか聞いたっていう情報は多いんですよ?」