別に隣の鏡と大差は無い。

四つ角を支える様に金属で壁に取り付けていて、その為完全に接着せず少し浮いている。

鏡を良く見ようと顔を近付けたら、佐藤の手がぬっと目の前を遮った。

仕方ないので、少しずれて覗きこもうとすると、そこにも、佐藤の手が。

今度は上にずれると、そこに合わせて佐藤も手をずらし邪魔をする。

「邪魔だよ、君!!」