私は腕を組み、10年前の記憶の引き出しを開けてみる。

古い記憶なので、なるべく外部からの邪魔な情報を排除する為、目を閉じ意識に集中した。

「そう、呪いです」

そんな私に念を押すように、身を乗り出す。

どうも、テレビか何かの影響を受け過ぎらしい。

私は10年前の記憶を脳の中で再生し、現在の状況とも照らし合わせて、


「ありえない」

こう答えを出した。