「その桜の木の下で、10年前、ある女生徒が生徒会長に告白して、それはそれは酷く振られたんです。
で、彼女は悲しみのあまり、その木で首を……。
それ以来、その桜は二度と花を咲かすことは無いそうです」

上目遣いで相変わらず、少々舌っ足らずだが低めの声色で佐藤はこう語った。

「10年前……、生徒会長……」